auスマプレ調査隊が行く！
話題の「昭和レトロ」探訪

昭和歌謡のBGMに気分を盛り上げながら、まずは昭和横丁へ。裏路地のような通りには当時のままの看板が連なり、昔懐かしい銭湯や居酒屋、ダンスホールが並んでいる。ドアからは明かりが漏れ、楽しい話し声や笑い声が今にも聞こえてきそうな雰囲気だ。思わずドアを開けようとすると、館長の黒木さんが「残念ながらドアは開かないんですよー」と苦笑い。中を見たくても見られない、このシチュエーションが想像力をかき立てる。

路地に駐められた昔の自転車やバイク、木の電柱など今ではお目にかかれないモノにも感動することしきり。「上も見てください」という黒木さんの言葉に天井を見上げると、店の2階には洗濯物が干してある。窓に映る、ちょっとセクシーな女性の影もリアルで、本当にそこで暮らしが営まれているようだ。
食堂のテーブルにはおいしそうな天ぷらそばとカツ丼もあって、箸を取りたくなるほど本物そっくり。「館内のモノは実際に触ったりできます。ここで写真を撮る若い人も多いですよ」という黒木さんの話に、なるほど、ここなら映え写真が撮れそうだと納得！

メインストリートの昭和通りには両サイドに理髪店や電器店、医院などが建ち並び、空には軍用機が飛び交う。その様子はまさに戦後の日本そのもの。通りには今やあまり見かけることのない車、ミゼットが駐められていて、ここも映えスポットのひとつだ。
お客さんの中には1つひとつの店を覗いて、懐かしい雑貨や家電、家具にじっくり見入る人も。雑貨店の小上がりには将棋盤があり、「ここで本当に将棋を楽しむお客さんもいます。駒の位置が時々変わっているんですよ」と笑いながら話す黒木さん。懐かしいパチンコ台やスマートボールで遊ぶこともでき、時間を忘れて興じる人もいるそうだ。

さらに奥へ進むと、なんとジュークボックスを発見！ ジュークボックスとは内部にレコードが収納され、お金を入れると好きな曲が聴けるという“音楽の自動販売機”のことで、日本では1970年代前半に流行したそうだ。こちらのジュークボックスには、ピンク・レディーや山口百恵など、80年代頃に全盛を極めた懐かしの歌謡曲がぎっしりと入っている。「残念ながら現在はジュークボックスが故障しているのです」という黒木さんの言葉に、いつかまた復活することを願うばかりだ。
さらに1階の奥の映画館では、美空ひばりの映画を上映。「ここで映画が終わるまでずっと楽しんでいらっしゃるお客さんもいますよ」と黒木さんはにこやかに話す。

2階にある小学校の教室でも、実際に席に座って授業風景のような写真が撮影できるのが楽しい。「はい、静かに！ 授業を始めますよ～」「はい、先生！」となりきって撮影すれば、盛り上がること間違いない。
じっくりと昭和レトロを楽しんだシメは、昔のおもちゃや駄菓子をお土産に。ガラスケースに入った色とりどりの駄菓子やダルマ落としなどの小さなおもちゃを目の前に思わずワクワク！

―館長の黒木さんに、昭和歌謡アーティストや昭和を舞台にした映画について聞いてみた。

「私はピンク・レディーが好きです。曲もいいし、振り付けがかわいいですよね」と黒木さん。「中島みゆきさんの歌も、昔も今もいい曲ばかりなので好きです」。昭和を舞台にした映画では「20世紀少年」や「ALWAYS 三丁目の夕日」がお気に入りだとか。「『20世紀少年』も『ALWAYS 三丁目の夕日』も、時代設定が昭和。特に『ALWAYS 三丁目の夕日』は、まさにここの昭和通りそっくりのシーンが登場するから好きです」という話に、映画を観たくなります！

※TELASAでのレンタル作品です。

※TELASAでのレンタル作品です。

―最後に高山昭和館の魅力についても伺った。

「館内にあるレトロな看板や雑貨、家電製品などはすべて以前のオーナーが5年間かけて集めたものです。モノだけではなく、病院の消毒の香りなど、五感で昭和の時代を再現しているのでそこも楽しんでもらいたいと思います。親子や三世代で来館されて、お子さんやお孫さんにその当時のことを話していらっしゃる姿をよく見かけますね。展示品を見ながら家族で楽しい会話ができるのも、ここならでは。私自身も知らない時代のことですが、ここで“こんなふうだったんだ”と昭和のよさをぜひ体験してもらいたいです。
今はメールやSNSでお互いが会わなくてもコミュニケーションが取れる時代。昭和の頃は、人と人がつながる温もりがもっと感じられたと思います。そんな温かさや優しさを、この場所で感じてもらえたら嬉しいです。」