今の気分にぴったりの映像作品は？

是枝裕和が監督を務めた本作は、鎌倉の古い家に住む三姉妹が、異母妹すずを迎えて、家族になるまでの1年の物語。大きな事件が起こるわけでもなく、移ろう季節とともに、姉妹たちそれぞれの恋愛や別れ、成長が描かれる。家族の歴史が刻まれている家屋で繰り返される日常や、夏の初めの梅酒作り、花火の光景などどこか懐かしく、自分の心の思い出のページをめくるような気になる。特に、すずがサッカー仲間の少年の自転車の後ろに乗って、満開の桜のトンネルをくぐるシーンは美しくまぶしい。演じているのは当時、まだ新人だった広瀬すず。彼女のみずみずしい演技を見ているだけでも幸せな気分に。

性格も趣味もバラバラで、ちょっとお騒がせなイケメン4人組。演じる佐野玲於、中川大志、高杉真宙、そして横浜流星が四者四様のキャラクターを見事に体現し、いつもつるんではワチャワチャしている男子高校生の青春を表現する。シャイな女子・杏奈を好きになった奥手ななっちゃんの恋模様、なかなか告白できない彼をからかいながらも、何かと応援する男同士の友情にほっこりしながら、杏奈や彼女の親友まり、つよぽんの恋人ゆきりんら女子たちの複雑な乙女心にもしみじみ。見る者を一瞬で、17歳のあの頃に戻してくれる、とても素敵な青春ストーリーだ。

個性豊かなポケモンたちに、こんなに癒やされるとは……。ポケモンが人間と共存している世界で、主人公のティムは探偵だった父親の死の真相を探るために、父の元パートナーだったピカチュウとコンビを組んで冒険の旅をすることになる。ファンタジーだが、主人公がピカチュウと旅しながら育んでいく友情、そして、ピカチュウを通して知る父の思い、また人間とポケモンとの関係性などが描かれる。ポケモン好きはもちろんだが、そうでなくてもわかりやすく、大人だってほっこりする物語だ。

人の顔が認識できなくなり、誰の顔も見分けられない“相貌失認”になった財閥御曹司のミニク。唯一、秘書のガリの顔だけわかることから彼女を頼りに。しかも、ミニクはガリが成りすました偽ベロニカに一目惚れしたことからややこしいことに。ミニク役のキム・ヨングァンは187cmの長身で絵になる男。ハイブランドのスーツ姿でクールに決めたかと思えば、人の顔がわからず不安になり、ガリの前では子供っぽくなって甘えたり。緩急自在の表情やしぐさで母性本能もくすぐってくれる。胸キュン要素満載。一途にミニクに尽くす、デキる秘書ガリとの恋の行方からも目が離せない！

胸キュンポイントはズバリ、撮影時20代半ばだったにもかかわらず、制服姿に違和感のないユ・スンホのキュートさ。演じるボクスは、成績は悪くて落ちこぼれ、でも、クラスのムードメーカーで困っている同級生を放っておけない正義感あふれる男子高校生という役どころで、はじけるような笑顔で明るい高校生にハマっている。ドラマは、27歳のボクスが再び高校生としてかつて通った高校に復学するというストーリー。ちょっと無茶ぶりを感じながらも、不当に退学させられた高校で校内に渦巻く悪をただす活躍を見せる。ビシッと決める暴れっぷりもカッコいいスンホ。ぜひチェックしてみて。

人の心の声が聞こえる能力を持つ高校生スハと、弁護士のヘソン。幼いときにヘソンに救われたスハはそのときから「僕が彼女を守る」と心に誓い、再会後、人の心を読むことができる能力を生かして、彼女をひたすら支える。ヘソンに邪険に扱われても、健気に想い続ける。そのピュアな姿に胸キュンせずにはいられない。演じたイ・ジョンソクはこの頼れる年下男子キャラで母性本能をくすぐり、一気にブレイク。スハだけでなく、元警察官で堅物な同僚弁護士グァヌからも思われてしまうヘソン。スハにまっすぐな恋心を向けるグァヌ役は、「お嬢さまをお願い！」などのユン・サンヒョン。うーん、どっちの彼も捨てがたい！

タイトル通り、“石の繭”のような遺体が発見され、その猟奇的な殺人事件を新米の女性刑事が追う。オープニングから心臓の弱い人には厳禁なグロテスクな描写が満載。そんな残虐な犯行を重ねていく犯人と、ヒロイン・塔子との電話越しのやり取りが見ものだ。主演の木村文乃は「如月塔子は小柄で童顔」という原作のイメージに寄せ、服も普段より1サイズ下の7号を着たという。確かに序盤の塔子は頼りなく、トレミーと名乗る狡猾な犯人に電話でもてあそばれてばかり。しかし、先輩刑事たちに叱咤激励される中で成長していく。クライマックスではトレミーとの直接対決に挑む塔子。最後の最後まで息が抜けない。

前作、「石の繭」から1年後の設定。連続殺人犯トレミーとの一件で受けたトラウマを引きずりながらも、捜査一課十一係の一員として成長した塔子が新たな猟奇殺人事件を追う。真っ赤に染まった部屋に見るも無残な遺体が発見され、続いて爆発事故が発生するなど、次々と事件が起こる。相棒・鷹野主任とコンビを組んで、事件の謎を解いていく。演じる木村文乃と青木崇高がますます役にハマリ、危険を乗り越え、真相に近付くたびに２人のタッグ感も増す。殺人分析班シリーズの中でも、もっとも複雑で大胆と言われる事件の全貌、そして犯人の執拗な狙いには驚愕すること間違いなし！

痴漢えん罪で人生に絶望した男が、ひょんなことから依頼された役を演じて人助けをする稼業に。第1話の幕開けから衝撃的で、観たらハラハラ&ドキドキすること、間違いなし！ 復讐のためや虐待されている子供を救うために、さまざまな役になりきる演じ屋たち。演じる磯村勇斗や奈緒のなりきりぶりも痛快だが、犯罪スレスレのシナリオや計画を立てながら相手を出し抜き、だます過程もスリル満点。演じることで人を救いながら、自分の過去やトラウマとも向き合う演じ屋たちの物語からも目が離せない。