ドラマ「夢中さ、きみに。」配信記念
大西流星（なにわ男子 / 関西ジャニーズJr.） / 高橋文哉インタビュー

大橋くん、大ちゃんが「ハグとかするん？」と聞いてくる

──普段はなにわ男子の一員としてグループの活動が多いと思いますが、お一人で新しい現場に飛び込むのはどんな気持ちですか？

ここ数日メンバーと会っていないだけでも寂しさを感じています。でもその分、今まで演じたことがない役柄や現場に挑戦できるのでわくわく感もすごくありますね。なにわ男子のメンバーもすごく応援してくれていて。役についてはまだ伝えていないのですが、大橋（和也）くんとか大ちゃん（西畑大吾）がタイトルのイメージで「恋愛のシーンとかあるん？」「ハグとかするん？」とか聞いてくるんですよ（笑）。「まあまあまあ」とにごしたらめっちゃニヤニヤしていたので、いい意味で期待を裏切れるかな。

──メンバーの皆さんの反応が楽しみですね。

楽しみです！ この作品に関わらせていただけると聞いたのは、実はメンバーと一緒のタイミングだったんです。11月にあった配信コンサート（Kansai Johnnys' Jr. DREAM PAVILION ～Shall we #AOHARU？）の通し稽古で、なにわ男子をプロデュースしてくださっている関ジャニ∞の大倉（忠義）くんが、みんなの前で企画書を渡してくれました。最初は戸惑いもありましたが、メンバーが「おめでとう！」と言ってくれて励みになりましたね。

──この作品では塚原あゆ子監督と初めてご一緒されますね。

塚原監督にはシーンやセリフの1つひとつを勉強させていただいています。監督が手がけた作品を観ていて「すごい方だな」と思っていたのですが、気さくに話かけてくださるし、付いて行きたくなるほどたくましい。できる大人という雰囲気がぷんぷんしているので、かっこいいなあと背中を見ながらいつも思ってます。

アイドルのキラキラを封印！

──今はわくわくしながら撮影に臨まれていると思いますが、大西さんは林美良という男の子をどのように分析して役作りをしましたか？

林くんはこれまでに会ったことがないタイプの変わっている子です。いい意味でクセがあるし、高校生だけどずば抜けて大人びている。自分と重なる部分があまりないのでゼロから作り上げています。（台本に描かれた林のイラストを自身の顔と並べて）アイドルのときはどうやったら1mmでもキラキラできるかを考えているのですが、この不思議な目の雰囲気を出すためにキラキラを封印してあえて力を抜いたり。原作をとにかく読み込んで、みんなが気になる謎の存在になってやろうとがんばっています。普段ならやったら怒られることも役を通してだったら挑戦できるし、楽しみながら演じています。

──周囲の人たちを夢中にさせるという点では、林というキャラクターの性質とアイドルのお仕事には近いものがあるのではと思います。普段の行動で役柄に生かせそうな要素はありますか？

なにわ男子でいるときは僕ももちろんわちゃわちゃしますが、メンバーがわいわいしているのを俯瞰で見て笑っていることも多いんです。一歩外から見ることが多い点では“林くんみ”はあるのかな。それ以外は……林くんは狙っていないし、あざとくないんですよ。ふいに出た言動やおっちょこちょいなところのかわいさが魅力だと思うのであざとかわいさを欲しがる気持ちにフタをしてがんばりました。アイドルとしては尊敬しちゃう部分でもあるので林くんからいいところを吸収したいです。

──撮影済みのシーンで特に印象的な場面はどこでしょうか？

僕、最近めちゃくちゃ焼き芋にハマっていて（笑）。ホクホクの焼き芋を無邪気にパクパクと食べるシーンは幸せでしかなかったです！ しかも岐阜のいいところからお取り寄せしてくださったみたいで、焼き芋のためにお弁当を控えめにして1日で4本くらい食べちゃいました。

謎の余裕でお肌をケア

──林はあえて無駄なことをして楽しむキャラクターです。それにちなんで、大西さんが無駄だなと思いながらも楽しんでしまうことはありますか？

家を出る前の時間をついのんびり過ごしてしまって、いつもギリギリになっちゃいます。今日も出発の20分前に起きたのですが、謎の余裕でパックやスチーマーでお肌をケアしていました（笑）。それは今せんでいいやろ！と思いつつも、あとで必ず焦ることになるんです。追い込まれたほうが力を発揮できるタイプなのかもしれません。

──（笑）。ドラマには高校生たちのささやかな日常が描かれていますが、大西さんにとっての小さな楽しみは？

ときくんという3歳の折れ耳の猫ちゃん（スコティッシュフォールド）を飼っていて、家族からたまに写真が送られてくるのが楽しみです。いつもやったら大阪で仕事をして兵庫の家へ帰って、ときくんをぎゅーっとするんですけど、今はその時間がないので写真でしっかり癒やされています。僕のベッドで寝てくれているみたいで「忘れないでいてくれるんやなあ」とうれしくなりながら眺めちゃいますね。

──最後に、初のドラマ単独主演ということで個人的に成長を見てもらいたいと感じる人はいますか？

第一にファンの皆さんです！ 2020年はいろんな経験をさせていただく機会が多かったですが、ファンの方も喜んでくださっているみたいで、どれも大きな反響がありました。「大西くんをもっと知ってみたい」と夢中になってもらえるように、大事に演じていければと思います。励ましのメールをたくさんくれる大倉くんにも見てほしいな。「よかったね」と一言いただけるようにがんばりたいです。

美少年モードが本当に心配！

──二階堂明は、高橋さんのパブリックイメージやこれまでに演じた役とは少し違う印象のキャラクターですね。

観てくれる人が困惑しないかな？と思います（笑）。「仮面ライダーゼロワン」を1年半近くやらせていただいたあとにドラマ「先生を消す方程式。」で二面性のある役を演じて、その次が二階堂なので自分の中でもギャップがすごくて。役者としてはありがたいことですし、自分の幅を知れる機会でもあるのでうれしく思っています。

──二階堂にはあえて陰気に振舞う“二階堂モード”と、普通にしているだけで背景に花が咲いてしまう“美少年モード”がありますね。美少年モードは何も心配いらないと思うのですが……。

いやいやいや！ 僕は美少年モードが本当に心配です！ 脚本のト書きに「眼鏡を外す美少年の顔」と書かれていたのは初めての経験で、どういう顔をすればいいんだ……と悩んで。モードのスイッチを切り替えるのは難易度が高いですね。

──自分がかわいくて落ち込むという、なかなかシュールな場面も。二階堂に共感できる点はありましたか？

自分のために自分をブランディングするのは近いところがあるかもしれません。

──なるほど。原作と脚本を読んで、二階堂は愛おしいキャラクターだなと思いました。高橋さん自身は、どんなところに二階堂のかわいらしさを感じていますか？

めっちゃあります！ まず、嫌われるために坊主にする思い切りのよさ。それじゃなくてよくない？となりますよね。坊主にして「かわいい」と言われそうなことに頭を抱えちゃうのも愛おしいです。甘い物が大好きなところもいい。女子に嫌われようとしているのに、そんなにあざといんかい！みたいな（笑）。ソフトクリームを舐めた瞬間に二階堂モードが解除されちゃって表情がパンッと変わるのがかわいくて、大事に演じていきたいなと思いました。

この現場ですごく成長できそう

──二階堂は劇中で“逆高校デビュー”を果たしますね。ご自身の高校時代はどんな感じでした？

僕は二階堂が嫌うタイプのグループにいるうるさいやつでした。調理師の免許が取れる高校へ通っていて調理になったらめちゃめちゃ本気でやるタイプでしたが、授業中にもついしゃべっちゃって。高校生の頃の自分に会えたら「黙れ！」と言いたいです（笑）。

──そうなんですね。塚原あゆ子さんをはじめとする監督たちとは役についてお話されていますか。

正直なところ、本読みの現場に行くのが本当に怖くて「もう明日か……」とずっとそわそわしていたんです。でもいざ行ってみたら塚原監督が「ドラマ観ているよ。これからどうなるの？」と優しく声をかけてくださいました。監督は僕の芝居をちゃんと見てくれてクセを指摘してくださる方。ご一緒させていただけるのは本当にありがたいですし、僕はこの現場ですごく成長できそうな気がしています。

──主演を務める大西流星さんについても聞かせてください。撮影でご一緒されるのはこれからだと思いますが（取材は12月中旬に行われた）、どのような印象を抱いていますか。

ご一緒する前から大西さんのことは知っていたのですが、初めてご挨拶をしたときに僕が今出ているドラマを観ていると言ってくれて、めちゃめちゃいい人だ……とうれしい気持ちになりました。今日初めてゆっくりお話する時間があったのですが、しっかりしていて元気だし、お茶目でかわいらしい部分もある。ますます好きになりました。

──大西さんとの共演はいい刺激になりそうですね。

そうですね。大西さんは初の単独主演なのでちょっとでもサポートできたらなと思います。