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「社内マリッジハニー」
板垣瑞生×松井愛莉インタビュー

あざとさの境界線が難しくて（松井）

──まず原作、脚本を読んだ感想を聞かせてください。

板垣瑞生キュンとしましたね。マンガではただ淡々と幸せなときが流れていく様子が描かれていたので、そういった幸せな日常をドラマにするときどうするのかなとは思いました。それで脚本を読んだら原作にはないドラマオリジナルの妄想シーンの演出があったので、ドラマの真夏ではちょっとボケていきたいなと。原作では堅めの雰囲気の人が徐々にゆるくなっていくと思うんですが、実写化した真夏も愛してくれればなと思っています。原作の真夏が好きな人にも、愛されるような違いを出すようにしました。

松井愛莉すごくキュンキュンしましたね。ただこの役をいただいたときは「私にあざとい女子が演じられるのか？」と正直不安がありました。小首をかしげてエヘみたいな仕草は普段やらないので（笑）。台本読んで作り上げていこうという感じでしたね。

──以前松井さんはインタビューで「ストレートな恋愛ドラマの役がきたら、すごく恥ずかしくなってしまいそう」と話していましたね（笑）。

松井できるかな？ できるかな？って思いながら撮影に入ったんですが、やっていくうちに慣れたというか……。監督に「くねくねして」ってずっと言われて、恥ずかしさは消え失せました（笑）。でも、あざとさというのがわからなくなってきて、これでいいのかな？もっとあざとくしたほうがいいのかな？と。あざとさっていきすぎると女子に嫌われちゃうし、足りないとただのいい人になっちゃうから境界線が難しくて……。

板垣あみは嫌われてないですもんね。ただ松井さんはテストでは恥ずかしがってたんですけど、本番では思いっきりやっていたので本当は全然恥ずかしくないんじゃないかなって思ってました（笑）。

松井うそ！（笑）

板垣ほら怒るんですよ（笑）。思いっきりやってくれるので助かりました！

松井（笑）。どこまでやったらいいかなというのは監督に相談しましたね。いじけた顔をしてもいきすぎないようにとか。

板垣かわいさの微調整が入ってましたね。

松井あとはあざとさの参考に、テレビ番組の「あざとくて何が悪いの？」を観てみたりしました。

板垣そのまま！（笑）

松井あざとさは仕草だったり語尾のはね方に出ると思ったので、「もっとあざとく」と言われるとこうしたり……（首をかしげる仕草）。でもあざとい女性が身近にいないので、本当に想像ですね。あとは原作から引っ張ってきました。

謎のコミュニケーションが成立してました（板垣）

──掛け合いも息ぴったりなお二人ですが、今回が初共演なんですよね？ お互いの印象はいかがでしたか。

松井板垣さんはすごく気さくで、コミュニケーション能力の高い方。最初20歳と聞いて「4こ下!?」ってけっこう衝撃だったんです。真夏はあみより歳上という設定だったので大丈夫かなと思ったんですが、会ったら大人っぽくて年齢を感じなかったです。

板垣現場では「本当に松井さんありがとう」っていう感じでした（笑）。僕はいろんなことを先に決めて臨むタイプではないので、現場でしたことに対して松井さんが合わせてくれました。姐（ねえ）さんやなって思いました。

松井姐さんではないでしょ！（笑）

板垣いやいや松井姐さんですよ。

──現場の雰囲気はどうでしたか？ 板垣さんがボケて松井さんがツッコミを入れてという感じだったのでしょうか。

板垣今回はコメディ要素もありますし、それに2人とも楽しくやれるならやろうと思うタイプです。松井さんからは「誰が来ても面白いものにしましょう」という雰囲気が出ていました。ボケツッコミで言えば、松井さんは意外と天然なので……。

松井いや、バカなんですよ……。

板垣（笑）。みんなが理解できていないような、お互いツッコむでもない謎のコミュニケーションが僕らで成立していましたね。

松井現場ではみんなでわちゃわちゃ仲良かったです。男子はふざけ合って、女子は恋バナして「男子こっち入ってこないで！」って。

板垣恋バナ知らなかった！ あんなに一緒にいたのに寂しい……（笑）。僕は和田（颯）さん、押田（岳）さんとずっと話してました。外の電灯が光ったのを見て「今何時!?」って盛り上がったり、かっこよく映える場所を見つけて「ちょっとここに座ってよ」って写真撮って「うわ！ めっちゃいい写真だ！」って言ったり。

松井楽しそう（笑）。

板垣そういうのもあって、アドリブを入れなくてもいいシーンでもセリフが飛び交うようになって、相乗効果で撮影もよくなったと思います。

Sなセリフでもめちゃくちゃ優しい（松井）

──今回の役は板垣さんがドS、松井さんがあざと女子の役です。板垣さんが思う松井さんのあざとかわいい部分や、あみとの共通点はありましたか？

板垣僕がけっこう疲れているときに「休んだの？」って声を掛けてくれたんですが、心配そうにじゃなく笑顔でだったんですよ！ 「今その笑顔で休めてます！ありがとうございます」という気持ちになったので、そこは優しくてずるいなって（笑）。松井さんはあみとかわいらしすぎるところが似てますね。人としてかわいらしくて、笑顔もたくさんあって、ほかの人を元気にしようとする方です。

──松井さんがいると現場も和みそうですね。では松井さんは板垣さんのSっぽいところは見つけられましたか？

松井うーん……。普段わりとおちゃらけてるからそんなにSっぽさは感じなかったかな。

板垣僕もSっぽいタイプではないんですよね。それにSっぽくしようとして演じると冷たい感じになっちゃう気がするんです。

松井確かにSなセリフでも言い回しはめちゃくちゃ優しかったです。

板垣真夏はあみが自分の一言に反応して動いてくれたらいいなと思ってて、Sな力を使ってボケたり、あみを困らせたりする人。なので人たらしな部分が出ればなと。でもドSにはなれなかったですね（笑）。

──では劇中で板垣さんがキュンとしたあざとかわいいシーンはありましたか？

板垣全部キュンとしてましたね！ かわいいーって。でもその中でもあみがベッドの上で跳ねるシーンがよかったですね。あみのセリフは一言なんですけど、僕がセリフを返さないでいると松井さんは演技を続けなきゃいけないから、だんだんあみが駄々っ子みたいになって。もうちょっとこっちのセリフ言わないでおこう、もうちょっと見たいなって思いましたね（笑）。あとは夫婦漫才に近いシーンがけっこうあるんですけど、僕からしたらそれがキュンキュンです。たわいもないことでボケてツッコんでという部分を視聴者に観ていただいてほんわかしてもらえたらと思っていたので、実はそこも気合い入れてやってるんです。

──松井さんは真夏のSなシーンはいかがでしたか？ 理想の夫でしょうか？

松井女子はドSの真夏にキュンキュンすると思いますよ！ 観ている人はこんなふうにされたいって感じるんじゃないでしょうか。私はこういう感じは嫌ですが……（笑）。

板垣ええっ！ 僕の1カ月！

他人のために一生懸命になれる夫婦の物語（板垣）

──（笑）。今回は婚活アプリから始まるラブストーリーですが、こういった出会い方はありだと思いますか？

松井全然ありだと思います！ そういう話を聞くことがあるので、やってみたらいいんじゃない？って。そこから築き上げていくのもいいと思います。

板垣真剣ならいいんじゃないでしょうか。本当に恋人が欲しいっていう友達がアプリのTinderをやるので、みんなで集まって服貸したりしゃべり方はこういう感じでいこうって彼をプロデュースしたことがあります。そういう努力をしている人も実際にいますからね。

──交際0日で結婚したのち、実は真夏とあみが同じ会社で働いていたことが発覚しますよね。社内恋愛についてはどうでしょう。

松井社内恋愛の隠している感じはドキドキしますよね。ばれちゃいけない感が楽しそう。

板垣僕はもし社内恋愛をしたとしてもあんまり隠したくないですね。隠そうとしている役を演じていますけど（笑）、めんどくさくないですか？

松井おおっぴらにしたほうが楽だろうけど、言えないドキドキ感もよさそう。

板垣確かにおおっぴらすぎるのもね。交際0日で結婚というのは、真夏とあみだったらいいかなと思いますが、リアルでは違うかな……。

松井私はなしではないですね。会ったときに「この人と結婚するんだな」ってわかることがあるという話も聞くので、それには憧れがあります。

──今回のドラマは初対面だった男女が少しずつ関係を築き上げていく物語です。板垣さん、松井さんが作り上げた新婚生活の見どころを教えてください。

板垣ドSな役ですが、はっちゃけた妄想シーンとの温度差を楽しんでもらえたらうれしいです。あと、現場で「僕のことは撮らなくていいから、あみちゃん撮ってください」って言ったら、スタッフさんから「それ松井さんも真夏を撮ってくださいって言ってたよ」と返されたエピソードがあるんですが、そんなふうなドラマになってます。他人のために一生懸命になれる夫婦の物語なので、これから結婚する人やしたい人、キュンキュンしたい方に観ていただきたいです。

松井とりあえずキュンキュン祭りなので、皆さんにキュンを分け与えられたらいいなと思います。好きになってほしいからこそ、お互いに仕掛け合うようなやり取りが観ている方にかわいいなと感じていただけたらうれしいですね。